交通事故の慰謝料の基準

(1)入通院慰謝料

入通院慰謝料は、入通院によってあなたが受けた精神的苦痛を賠償するお金です。入院期間や通院期間によって慰謝料の額が計算されます。

その計算方法には、自賠責の基準、任意保険の基準、裁判所の基準があります。

弁護士が慰謝料額を計算するときは、俗に言う、赤本、青本、黄本を参照にします。

<自賠責の基準> 令和2年2月時点

1日あたりの慰謝料は4300円です。

4300円に、(実際の治療日数×2)か(治療期間)の少ない方で計算された額が慰謝料の金額になります。

上限は120万円です。もっとも、この120万円には治療費等も含みます。

例えば、1月1日から1月31日までの間に12日通院した場合、
(実際の治療日数×2)は(12日×2=24日)で、(治療期間)は1月1日から1月31日までの(31日間)です。少ないのは24日ですからですから、4300円に24日を掛けた10万3200円(4300円×24日)が慰謝料ということになります。

また、例えば、1月1日から1月31日までの31日間入院した場合は、13万3300円(4300円×31日)が慰謝料ということになります。

<任意保険の基準> 平成29年3月時点

保険会社によって基準が異なりますが自賠責の基準よりは、多少、多くなります。

例えば、1月1日から1月31日までの間に12日通院した場合、約12万0600円です。

また、例えば、1月1日から1月31日までの31日間入院した場合は、約25万2000円です。

<裁判所の基準> 平成29年3月時点

各裁判所によって多少異なりますが、名古屋地裁の基準ですと、例えば、1月1日から1月31日までの間に12日通院した場合、約25万です。

また、例えば、1月1日から1月31日までの31日間入院した場合は、約50万円です。

(2)後遺障害慰謝料

後遺症が残っても後遺障害等級が認定されないと慰謝料を支払ってもらえない可能性が髙いです。

後遺障害等級が認定された場合、その等級に応じて慰謝料が計算されます。

その計算方法には、やはり、自賠責の基準、任意保険の基準、裁判所の基準があります。

<自賠責の基準> 令和2年2月時点

14級の場合は32万円です。

<任意保険の基準> 平成29年3月時点

各保険会社によって異なりますが、

14級の場合、32万円以上で上限は裁判所基準の半額位です。

<裁判所の基準> 平成29年3月時点

14級の場合は110万円です。

(3)死亡の場合の慰謝料

被害者の方が死亡した場合、被害者の方が請求できる慰謝料を相続して請求できます。また、身内の方の固有の慰謝料を請求することもできます。

この死亡慰謝料の計算についても、やはり、自賠責の基準、任意保険の基準、裁判所の基準があります。

<自賠責の基準> 令和2年2月時点

  • 死亡者本人      :400万円
  • 遺族が1名の場合:550万円加算(合計950万円)
  • 遺族が2名の場合:650万円加算(合計1050万円)
  • 遺族が3名の場合:750万円加算(合計1150万円)
  • 被害者に被扶養者がいる場合:更に200万円加算

<任意保険の基準> 平成29年3月時点

  • 被害者が一家の支柱 1500万円~2000万円
  • 被害者が18歳未満 1200万円~1500万円
  • 被害者が高齢者     1100万円~1400万円
  • 被害者が上記以外  1300万円~1600万円
  • 「一家の支柱」とは,被害者の方の家庭の生計を維持すべき収入の大部分を得ている者で、その者が欠けることによって、家庭の生活が著しく困難になる者をいいます。
  • 「高齢者」とは、性別を問わず65歳以上の者をいいます。

<裁判所の基準> 平成29年3月時点

  • 被害者が一家の支柱 2800万円~3000万円
  • 被害者が上記以外   2000万円~2800万円
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