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面会交流とは
これまで「面接交渉」という言葉が使われ、民法にも明確な規定はありませんでしたが、平成24年4月1日から施行された改正民法で「父又は母と子との面会及びその他の交流」という表現で明記され、その方法についても、まず協議で定めること、協議が整わないときは家庭裁判所が定めることが規定されました。
ここでは「面会交流」という言葉が使われていますので、今後は、面会交流という表現が定着すると思われます。
どういう場合に面会交流ができるか
子どもを監護していない親には面会交流の権利があります。
離婚により親権者とならなかった親、別居している夫婦で子どもと住んでいない親、認知をした父と子どもの面会交流が主なものです。
面会交流は誰の権利か
面会交流では、子どもの利益を最も優先して考慮しなければならないと規定されていますので、親の権利でもあると同時に子どもの権利でもあり、しかも子どもの利益が最優先されることになります。
面会交流の決め方
(1) まずは協議で決めます。
この時、将来もめごとが起きないように、月に何回・何時間・場所・宿泊はどうするのか・学校行事へ参加の可否・子供の受け渡しの方法・変更の場合などの連絡方法などを具体的・詳細に決めておくのが良いです。
(2) 協議で決められなかった時
家庭裁判所に調停の申立をして家庭裁判所で話し合うことになります。
内容を決める時、もし約束が守られなかったとき間接強制(1回拒否すると5万円支払えないと命じて履行を促す。金額は裁判所が諸事情を考慮して決めますので5万円とは限りません)が出来るような内容にしておくと良いでしょう。そのためには、面会交流の日時又は頻度、各回の面会交流時間の長さ、子の引渡し方法等の具体的な内容を決めておくべきです。
具体的には、「2か月に1回。半日程度。具体的日時・場所・方法は別途協議」と決めただけでは間接強制はできません。
「1か月に1回。毎月土曜日。3時間。場所は相手方自宅以外で協議。受渡場所は相手方自宅以外で協議。受渡時間に監護親が引渡し,交流終了時に受渡場所で引取り。子が病気等の場合は,代替日を定める。」などと決めておけば間接強制ができます。
(3) 調停で決めれなかった場合
最終的に、家庭裁判所が決めます。
(4) 家庭裁判所で決めた面会交流が実現できなかった場合
家庭裁判所にそのことを話すと、家庭裁判所から相手方に電話して、会わせるように言ってくれます(履行勧告)。ただ、これには強制力はありませんので、それでも、相手方が従わないときは間接強制の申立をすることになります。
子どもとの面会を拒否されている人
直ちに、弁護士に相談するか、家庭裁判所に面会交流の調停の申立をして下さい。実力行使で子どもを奪ったりするなどすると、将来、不利になることがあります。誘拐罪を認めた判例もあります。
子どもとの面会を拒否したい人
本来は、親には子どもと面会する権利がありますから、面会を求めているのに拒否することはあまりよくないことです。
しかし、子どもが小さかったり、相手方が子どもに暴力を振るったり、その他の事情があって会わせたくないのでしたら、相手方が、法的に、子どもと面会できる権利を獲得するまでは、事実上、拒否することもやむを得ないでしょう。