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今の遺言書は法的に有効ですか。
公証役場で作った公正証書遺言であれば、まず大丈夫ですが、ご自分で作られた遺言の場合は、再度、次のことがなされているかご確認下さい。
(1)遺言者が、すべてをご自分で書かれたかどうか。
パソコンが普及した時代ですが、遺言は、原則、遺言者が自分で書かないと無効です。ただし、財産目録についてはパソコンで作成したものでも良いです。ただ、その用紙に自署・押印しておく必要があります。
(2)年月日の日付は書いてありますか。
遺言は何度でも作りかえることができます。新しい遺言が作成されると、前の遺言のうち、新しい遺言と矛盾する部分は無効になります。
(3)遺言者の署名押印はありますか。
遺言は誰が作成したのか分からなければいけません。ですから、必ず署名が必要です。また、日本は印鑑社会ですから、名前の後に押印することが必須です。押印は実印ではなく認め印あるいは指印でも有効です。ただ、実印の方が遺言者の意思が明確になるのでよりベターでしょう。
(4)遺言の内容は明確ですか。
誰が見ても何を相続させるのか、何を遺贈するのか明確でないと無効なることもあります。不動産の場合、法務局で登記簿謄本を取り寄せて、土地でしたら、所在地・地番・地目・面積を建物でしたら、所在地・家屋番号・構造・種類・床面積を書いた方が正確です。
(5)遺産の一部だけの遺言書も有効です。
遺言書に書かなかった遺産は法定相続分で相続されることになります。
(6)遺言書は封筒に入れて密封してありますか。
誰かが字体を真似て勝手に書き換える恐れがありますので、密封した方がよいでしょう。
(7)遺言書を見つけたら、その場で開けないで下さい。
公正証書遺言以外の遺言書は、必ず、そのまま家庭裁判所に持っていって、家庭裁判所の手続きで開けて下さい。これを検認と言います。
もっとも、この手続きをしないで勝手に開けた場合でも、遺言書の内容自体が無効になるわけではありません。
(8)法務局での保管
自筆遺言が法務局で保管されていることがあります。法務局で確認してください。法務局で保管されている遺言は、家庭裁判所での検認はいりません。